開物成務の由来

2018年6月4日

開物成務の由来

本勉強会の「開物成務塾」というのは、名誉塾長の湯本先生が付けられた名前です。「開成」という言葉は東大進学率トップを誇る開成高校が有名ですが、この名前の由来も「開物成務」です。

この言葉の由来は古代中国の「易経」にまでさかのぼります。

易経繫辭上十一

子曰「夫易,何為者也?夫易開物成務,冒天下之道,如斯而已者也。是故,聖人以通天下之志,以定天下之業,以斷天下之疑。」

訳:先生は言った「易は何のためにするものなのか。物事を開いて、務めを成し、天下の道を覆うためである。ただそのためだけのものである。したがって、成人は天下の志に通じ、天下の事業を定め、天下の疑義を断つのである」

易というのは占いですが、当時の占いは政治の方針を決める重要な祭事でした。その易をする理由は、「物事を開いて務めを成す」というのが、開物成務の原典になります。

易経の重要性

古代中国に発生した儒教は、今日でも東アジア地域に大きな影響を持つ思想です。「五経」は、儒教の中でも特に重要な経典集で、時代によって内容が若干変わるものの、易経はその中心経典として古くからその地位を確保してきました。

古代の社会制度では、占いが政治の方針を決めていた事例が世界中にあります。古代中国もその一つで、日本にも伝わっています。易経は、政治をつかさどる占いの手法をまとめたものですので、まさに、国の方向性を正しく指し示す方法として重要な経典だったと言えます。

「易」の意味

易とは、もともとはとかげの意味ですが、どちらかといえば4つ足の爬虫類全てを指すような感じです。とかげはしっぽを簡単に切ることから、「簡単」、「やさしい」という意味になりました。また、変化することから「変化する」「変わる」という意味も持つようになりました。

これがなぜ占いという意味になったかというと、変化の意味が、陰と陽の変化を指すようになったことから始まります。陰陽の変化は陰陽道という思想に発展し、その思想を根幹として易経が生まれました。

もともと、陰陽というのは昼と夜の変化を表すものでしたが、その期間が1月、1年、10年と伸びていき、何千年と経った頃には、あらゆる生命の生と死を意味する陰陽道という思想にまで発展しました。易は占いですが、その根幹には、長い年月をかけて培ってきた天文の知識がしっかりと刻まれています。

開物成務塾の役割

開物成務塾は、物事を開いて、中小企業がするべきことを成すことを目的とした勉強会です。中小企業がするべきことは、単に儲けるということではなく、地域に貢献し、地域を発展させることだと私達は考えます。月に1回の勉強会で、少しずつではありますが、新しい可能性を開いています。

現在は産学連携という新しい取り組みによって、新しい物を開こうとしています。多くの中小企業がお互いに知恵を出し合って、中小企業がなすべきことを成す。開物成務塾は、そうした知恵を出し合う場としての役割を担うことができる勉強会です。

その役割をさらに広げるため、これからも多くの中小企業に開物成務塾の存在を広げていきたいと思います。